嘗て家に大小あわせて13個の水槽を置いていた時代があった。
別な目的で(送風用)ファンを探していたら、その頃の写真が出てきたので紹介させて貰う。自慢自作水槽システムだった。
一部退色したポラロイド写真のスキャンなので汚い。
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未だ我々夫婦に子供が居ない頃。
下手な家が一軒入ってしまう23畳のリビングには、見えるだけで5個の水槽がある。 |
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淡水魚
とにかくヒレが長いベールテール・エンゼルが好きだった。 |
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淡水魚用 180cm ガラス水槽
底床フィルターは 2mm の穴を 10mm 間隔に穴を開けて自作。フィルターの穴開けに3ヶ月掛った。何万個の穴を開けたことだろうか…
水槽上部とキャビネットを繋ぐ配管を自作
総重量は 600kg 木造家屋なら床が抜けるかも知れない。 |
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キャビネット内のフィルター
惜しげもなく水槽に穴を開けては使い易さ向上の為工作していた。 |
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最初は小型の水槽で海水魚を飼っていたが大きな水槽が欲しくなって自力で製作することにした。 |
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海水魚用 150cm アクリル製オーバーフロー水槽 |
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ポラロイドなので、イマイチの写りだが、さんご礁をイメージした美しい水槽だった。 |
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フィルターのレイアウト、配管は自分で行った。設計に1ヶ月、製作に6ヶ月、海水を安定させる為に12ヶ月を費やした。
ライブロックを配して海水を廻し、1年間安定するまでテストフィッシュ以外の魚を泳がさないという、気の長い水槽造りだった。 |
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電気配線も勿論自分で工作した。
この水槽の為に配電盤から専用の配線も工事した。マンションの天井に配線を追加するのは大変だった…といっても天井を壊した訳ではなく CD 管の中の既存配線の先に2系統の電線を繋いで既存配線を引き抜きつつ増設した線を引っ張り上げるという方法。
また漏電遮断機も装備している。海水魚水槽のメンテナンス中に感電して死ぬ人は多いと聞く。 |
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因みに、黄色い板は防音材。
各種ポンプ等の電源スイッチは操作し易い場所に設置した。 |
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工作途中の室外機、物置に寸法を合わせて塩ビ水槽を作り込んだ。
海水を作る為の 100リットル水槽、ポンプで攪拌する。海水が出来たら室内の本水槽へバルブを切り替えてポンプで圧送する方式として、楽に換水出来るシステムとした。勿論本水槽の排水もこの室外機のバルブから行える。
また、室外機には、海水用のクーラーと換気扇、ガラリを設けて廃熱を行った。
この物置をベランダへ設置していた。 |
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室外機の配管の為、マンションの鉄筋コンクリートにエアコン用のスリーブ穴を開けたとき、コンクリート用ホール・ソーが鉄筋を噛んでロックしたらドリルから煙を吹いて動かなくなったときは焦った。
穴を貫通するのに6時間掛った。
キャビネット内には、オゾナイザ、プロテイン・スキマー、殺菌等等を装備する。 |
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濾過自体はドライ・システムを採用した。
停電でポンプが停止するとオーバーフロー水槽の為、濾過層に海水が溢れる場合がある為、逆流防止弁や、ポンプの空運転防止機能等も設計した。 |
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メインポンプや、クーラーは室外に設置して、比較的音の静かなポンプをキャビネット内に設置することで静音性の確保に努めた。
コーラルには強い照明が必要な為、水温は放っておくと30度を超える。従って真冬でもクーラーは必須。夏場の電気代は家全体で6万円/月掛ったこともあった。熱帯魚と言うとヒーターを想像するだろうが、ヒーターは1本も使っていない。 |
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海水には金属の配管が使えないので基本的には塩ビの VP16,VP20 で配管しバルブをふんだんに使って、メンテナンス性を確保した。
継ぎ手を外せばユニットが手前に取り出せる構造にもした。 |
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元の水槽は下前面がガラス張りだったので、家具屋に頼んで、ルーバーの付いた扉に変更して貰った。
ルーバーからキャビネット内のポンプ動作音が洩れて煩かったので、結局扉の裏面に防音材を貼って隙間を埋めてしまったが… |
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同じく家具屋に水槽底部に大人が乗っても大丈夫なテーブルを工作して貰った。
テーブルとルーバー扉の造作に 10万円掛ったと記憶している。
海水魚水槽システムに費やした金は自動車1台では済まなかったと思う。 |
自力で製作した思い入れの深い水槽だったが、多くの労力と金を注ぎ込んだシステムも完成の僅か1年後に事業が傾いた為、住居の引越しと共に 15万円で手放した。今ならネット・オークション等でもっと高値で売ることが出来たと思うが…更にその半年後に事業が倒産するという悲劇も…夢物語であった。
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