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2009年6月18日 (木)

ムーアの法則は2014年で終焉を迎える …らしい。

 ご存知の様にムーアの法則とは、Intel の創設者 Gordon Moore 博士が 1965 年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則で、インテル初のプロセッサが 2,200個のトランジスタを集積したに留まったものの、現在は10億個のトランジスタ集積を目指している。

「半導体チップに集積されるトランジスターの数は約 2 年ごとに倍増する」という Moore の予測は現在「ムーアの法則」という名で広く知られています

 経験則としての提唱なら、ムーアの予測と言うべきだと思ったが、法則とは、変えることが出来ない規則の他、慣例によって生まれた経験則をも法則と言うらしい。

 本題からは外れるが、自分の経験で法則を作れるなら、例えば…「自ら PC を自作するスキルを持つ者がヤフオクに動作未確認として出品するジャンク扱いの PC パーツは絶対に動かない」とかを ”ひでの法則” 等と呼称しても良い訳だ!

 米iSuppliは米国時間2009年6月16日、「半導体業界のムーアの法則は2014年に終焉を迎える可能性がある」との見通しを発表した。半導体製造装置のコスト上昇によりムーアの法則の継続が難しくなり、業界の経済原理を変化させる要因になるという。

 早い話、半導体回路の微細化が進み、回路幅が 18nm~20nm を下回るようになると、このレベルでは半導体製造装置が非常に高額となって、量産による価格の引き下げができなくなるということなのだが、職業柄思い当たる節もある。

 半導体はムーアの言う、その集積密度だけでなく、動作速度であったり、記録密度も指数関数的に向上してきた。当然半導体を組み立てる製造装置も、より高精細、高速、高性能が要求される様になって販売価格を引き上げざるを得なくなるだろう。例えば、シリコン・ウェーハに回路を投影する液浸露光装置の値段が1台 100億円ともなったら一体誰が買ってくれるだろうか?

 ムーアの法則は半導体の微細加工技術の発展を根拠としているため、2010年代には微細化が原子レベルにまで到達してしまい、ムーアの法則は通用しなくなると21世紀の始めには予想されていたが、それ以前に製造装置の値段が高過ぎて設備投資出来なくなるという予想は大変興味深いものであった。ある意味半導体技術の進化が止まって、より信頼性であるとか、エコロジーだとかに注力される時代が来るのも悪くない…

Photo

その頃には、凡そ考えもつかない新たな技術が生まれているかも知れないけど、10年古くならない PC って魅力だと思わない?

あ、それじゃウチの会社潰れるか…

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