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2013年5月13日 (月)

dynabook TX/65、66 のプロードライザを交換する (5) 追記あり

 先日来、dynabook TX/65、66 のプロードライザ交換を行って来たものの、(コンピュータの電源が完全に切れている状態から起動する) コールドスタートでリセットが掛かる問題を2台の dynabook で発症し、此れの対処に追われている。

 結局問題が起きた dynabook 2台共、プロードライザは NEC TOKIN 0E128 をオリジナルの OE907 に交換してみた。

 やはり、メーカーが設計した 900μF には計算があって、1,200μF のコンデンサに見合う突入電流を確保出来ないのではないか?と考えました。

 無線機でもないのに、PC の FSB 程度の周波数でコンデンサのリード線の長さが起動に影響すると思えないこともあって…

P5130001w400  今回 OE907 にリード線を付けるに当たっては dynabook TX/65、66 のプロードライザを交換する (2) の方法と同様に、リード線を短く半田付してみた
P5130002w400_2

 理由は後述するが、コンデンサの劣化を最小限にしたい…という意図がある。

(耐熱温度は 105℃ らしい)

P5130006w400_2  基板へのリード線も短く付けた。

 1,200μF と容量の大きい OE128 では、このリード線の長さだと、まともに起動出来ませんでした。

 しかし、今回の OE907 では、シャットダウン → 起動 の繰り返しを行っても今の処問題は発生していません。  

P5130010w400  また、数時間に渡る YouTube の連続動画再生でも問題は発生していない。

 プロードライザを外す際に最初はヒートガンを使いましたが、数十秒でケーシングがベロっと溶融する程なので、そもそも熱に弱い部品だと思われます。

 メーカーの製造工程ではマザーボードにプロードライザを実装する際に、どの様なボンディング装置を使うか判りませんが、極めて短時間で接着させていると考えます。或いは超音波を併用しているかも知れません。

 なので、素人がリフローで接着させるのは、プロードライザの寿命を縮めると思われます。

 Dynabook を新品で購入して2~3年経過すると熱に依る影響でプロードライザがドライアップ(容量抜け)するのであれば、半田コテで熱を与えた瞬間から劣化が始まると考えます

 ここで私の仮説です。

 これ等2台の Dynabook に搭載されていたプロードライザは、OE907 で容量が 900μF であって、OE128 の 1,200μF では容量が大き過ぎて、チャージに見合う電流が供給出来ない為に、リセット動作が掛かると推測します。

 OE128 ではリード線の配線方法違いで起動に影響を与えた様に見えたのは、リード線を長く取り回した = 半田コテをあてる時間が長かった = 容量抜けが既に始まった…と推理します。

 既に容量抜けが始まった OE128 は 1,200μF の容量は既に無い = 突入電流が減少する = 安定起動する…と推測します。

 状況証拠としては、OE907 900μF のプロードライザは、リード線が短くても Dynabook を問題なく起動出来ました。

 2段重ねで巧く行ったという方は、半田コテで熱を与え過ぎて、コンデンサ容量が減ってしまったから、容量の追加を行わないと巧く動作出来なかったのではないでしょうか?

 残念ながら、家にはオシロスコープが無いので、電気的な裏づけが出来ません。

 会社の研究室へ持ち込めは、コンデンサの容量も測れるし、オシロもごろごろしてるんだけどね…

 業務連絡!同僚 X さん、オシロ持ってるんだっけ?

 動作検証は、もう少し続きます。


 追記します (2013年5月15日

 私の仮説は間違いでした orz

 巧く動作させることが出来なかったプロードライザ (OE128) の静電容量を測ってみました。

↓まともに起動出来なかったリード線の短いもの
Cimg3556w400 1,240μF
↓コールドスタートでリセットするリード線の長いもの
Cimg3557w400 1,180μF
↓コールドスタートでリセットするリード線の長いもの
Cimg3558w400 1,260μF
↓新品の OE128
Cimg3549w400 1,210μF

 上記の通り、リード線を長く付けたもの (半田コテの熱に晒された時間の長い方) も容量の低下は見られませんでした。

 また、新品の OE907 についても容量を測りましたが…

Cimg3559w400

1,180μF

公称容量は 900μF の筈だが…

 OE907 も OE128 も容量の差が殆どありませんでした。

 意外にも OE128 の公称容量 1,200μF が正確だったことに驚き、半田コテ程度の熱に晒された位では容量が低下しないことが判りました。

 更に、n 数が1ではありますが、OE907 の公称容量 900μF が実測と随分違うことが判りました。

 以上のことから、私の推測は全く検討違いだった様です。

 なので、(今の処) OE907 では安定動作するが、OE128 では巧く Dynabook が動かなかった理由は判りません。

Oe  仕様上 OE907、OE128 は左表の違いしかないんだけどね…

 更に追記 (2013年5月17日

 記事にコメントを頂いて、プロードライザーの取り付けにはリード線を使わない方が良いと指摘を受けました。

 私自身も、リード線を付けることには抵抗がありましたが、少々の熱を与えても容量が低下しない事実も判りましたので、リフローで取り付け治してみたいと思います。

 また、下の方のブログに依れば…

AC アダプタ時はスイッチングが安定せず、電圧はそれなりに出ているものの、出力は不安定になっていたので ADP3208 へフィードバックしている回路を確認・・・・
CSREF と CSSUM 間を 103p を入れて安定してスイッチングしていることを確認。

  • ADP3208 High Temperature Low Noise, Very Low Drift, Precision Voltage References データシート

 とのことなので、後日私も実践してみたいと思います。

 追記:

 更に追記:

ひでのブログ https://hidekyan.cocolog-nifty.com/blog/

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コメント


こんばんは。
いつも拝見させて頂いてます。

ブロードライザの記事がとても興味深いです。

その後の進展はございますでしょうか?


投稿: 素人電子マニア | 2013年9月23日 (月) 19時40分

素人電子マニア さん、コメントありがとうございます。

その後の進展と言えば、記事にもリンクを載せてますが、

プロードライザを交換しても再起動が掛かる dynabook で AC 使用時の電源の汚さを目で見たい(その2)
https://hidekyan.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/dynabook-ac-feb.html

…が、問題の全てかな?と思います。

投稿: ひで | 2013年9月23日 (月) 19時45分

忙しいところ、ご返答頂きありがとうございます。

リフローでの取り付け治しは、まだ実戦前だったのですね。

実戦したら、記事アップお願いします。(やりかたもお願いします!)

総合してみると、ブロードライザにリード線をハンダ付けするとき、U字で付けても、短く付けても、変わらないという認識で、いいのでしょうか?

それと、最初に付いていたのと、同じ規格のものを付けた方がいいということでしょうか?

個人的な考えでよろしいので、ご返答頂けるでしょうか?

投稿: 素人電子マニア | 2013年9月23日 (月) 23時08分

素人電子マニア さん、こんにちは

>リフローでの取り付け治しは、まだ実戦前だったのですね。
そうですね。コンデンサの取り付けで見かけ上、問題なく動いてしまったので…

>それと、最初に付いていたのと、同じ規格のものを付けた方がいいということでしょうか?
この辺りもよく判りません。

ylod な PS3 CECH-H00 をリフローで修理
https://hidekyan.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/ylod-ps3-cech-h.html

最近下の動画を参考に PS3 を修理してまして…

http://youtu.be/eCYZ5ksExsk

これに依ると、プロードライザもリフロー対象となっていることから、
起動不良は、プロードライザの半田接合不良も影響があるってことらしい。

なので、プロードライザもリフローに依る取り付けの方が良さそう…
という気はしてます。

投稿: ひで | 2013年9月24日 (火) 22時16分

こんばんは。

いろいろとありがとうございました。

これからも、拝見させて頂きます(^O^)


投稿: 素人電子マニア | 2013年9月25日 (水) 00時50分

はじめまして。ダイナブックtx/65fをヤフオクで購入し約半年。不具合が!ひで様と同じ状況になりました。私はまったくPCはいじれず、ネットのみしかつかってません。直したく、札幌市内の修理屋にたくさんTELしても、どこも、やりたくないとことわられます。ひで様、なんとか、お力を貸していただけないでしょうか?
宜しくお願い致しますm(__)m

投稿: 山田なおき | 2013年10月 9日 (水) 10時41分

山田なおき さん、こんにちは

私は趣味で修理を行なってますが、近所の人であれば手渡しで受け取り
ダメ元で色々と出来るのですが、代金は頂かないとしても、往復の送料や
部品代が馬鹿にならないと思いますし、万一治らなかった場合に責任を
持てない、或いは ”とどめを刺す” ことも有り得るので、辞退させて下さい。

プロードライザ交換しても、私の様にコンデンサを足さないと COLD START
でリセットしたり、コンデンサの容量も必ずしも記事に書いた容量が適切か
も判りません。

修理に費やす金額を他の PC 購入の足しとして良い PC を探しては如何
でしょうか?

ごめんね m(_ _)m

あっ!追記:
https://hidekyan.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/junk-toshiba-sa.html

こんな PC だったら(USB 端子修理済、日本語キーボード交換済) HDD 無しで \4,900 でお譲り出来ますけど…

投稿: ひで | 2013年10月 9日 (水) 20時14分

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