先日来、dynabook TX/65、66 のプロードライザ交換を行って来たものの、(コンピュータの電源が完全に切れている状態から起動する) コールドスタートでリセットが掛かる問題を2台の dynabook で発症し、此れの対処に追われている。
結局問題が起きた dynabook 2台共、プロードライザは NEC TOKIN 0E128 をオリジナルの OE907 に交換してみた。
やはり、メーカーが設計した 900μF には計算があって、1,200μF のコンデンサに見合う突入電流を確保出来ないのではないか?と考えました。
無線機でもないのに、PC の FSB 程度の周波数でコンデンサのリード線の長さが起動に影響すると思えないこともあって…
1,200μF と容量の大きい OE128 では、このリード線の長さだと、まともに起動出来ませんでした。
しかし、今回の OE907 では、シャットダウン → 起動 の繰り返しを行っても今の処問題は発生していません。
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また、数時間に渡る YouTube の連続動画再生でも問題は発生していない。 |
プロードライザを外す際に最初はヒートガンを使いましたが、数十秒でケーシングがベロっと溶融する程なので、そもそも熱に弱い部品だと思われます。
メーカーの製造工程ではマザーボードにプロードライザを実装する際に、どの様なボンディング装置を使うか判りませんが、極めて短時間で接着させていると考えます。或いは超音波を併用しているかも知れません。
なので、素人がリフローで接着させるのは、プロードライザの寿命を縮めると思われます。
Dynabook を新品で購入して2~3年経過すると熱に依る影響でプロードライザがドライアップ(容量抜け)するのであれば、半田コテで熱を与えた瞬間から劣化が始まると考えます。
ここで私の仮説です。
これ等2台の Dynabook に搭載されていたプロードライザは、OE907 で容量が 900μF であって、OE128 の 1,200μF では容量が大き過ぎて、チャージに見合う電流が供給出来ない為に、リセット動作が掛かると推測します。
OE128 ではリード線の配線方法違いで起動に影響を与えた様に見えたのは、リード線を長く取り回した = 半田コテをあてる時間が長かった = 容量抜けが既に始まった…と推理します。
既に容量抜けが始まった OE128 は 1,200μF の容量は既に無い = 突入電流が減少する = 安定起動する…と推測します。
状況証拠としては、OE907 900μF のプロードライザは、リード線が短くても Dynabook を問題なく起動出来ました。
2段重ねで巧く行ったという方は、半田コテで熱を与え過ぎて、コンデンサ容量が減ってしまったから、容量の追加を行わないと巧く動作出来なかったのではないでしょうか?
残念ながら、家にはオシロスコープが無いので、電気的な裏づけが出来ません。
会社の研究室へ持ち込めは、コンデンサの容量も測れるし、オシロもごろごろしてるんだけどね…
業務連絡!同僚 X さん、オシロ持ってるんだっけ?
動作検証は、もう少し続きます。
追記します (2013年5月15日)
私の仮説は間違いでした orz
巧く動作させることが出来なかったプロードライザ (OE128) の静電容量を測ってみました。
↓まともに起動出来なかったリード線の短いもの |
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1,240μF |
↓コールドスタートでリセットするリード線の長いもの |
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1,180μF |
↓コールドスタートでリセットするリード線の長いもの |
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1,260μF |
↓新品の OE128 |
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1,210μF |
上記の通り、リード線を長く付けたもの (半田コテの熱に晒された時間の長い方) も容量の低下は見られませんでした。
また、新品の OE907 についても容量を測りましたが…
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1,180μF
公称容量は 900μF の筈だが… |
OE907 も OE128 も容量の差が殆どありませんでした。
意外にも OE128 の公称容量 1,200μF が正確だったことに驚き、半田コテ程度の熱に晒された位では容量が低下しないことが判りました。
更に、n 数が1ではありますが、OE907 の公称容量 900μF が実測と随分違うことが判りました。
以上のことから、私の推測は全く検討違いだった様です。
なので、(今の処) OE907 では安定動作するが、OE128 では巧く Dynabook が動かなかった理由は判りません。
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仕様上 OE907、OE128 は左表の違いしかないんだけどね… |
更に追記 (2013年5月17日)
記事にコメントを頂いて、プロードライザーの取り付けにはリード線を使わない方が良いと指摘を受けました。
私自身も、リード線を付けることには抵抗がありましたが、少々の熱を与えても容量が低下しない事実も判りましたので、リフローで取り付け治してみたいと思います。
また、下の方のブログに依れば…
AC アダプタ時はスイッチングが安定せず、電圧はそれなりに出ているものの、出力は不安定になっていたので ADP3208 へフィードバックしている回路を確認・・・・
CSREF と CSSUM 間を 103p を入れて安定してスイッチングしていることを確認。
- ADP3208 High Temperature Low Noise, Very Low Drift, Precision Voltage References データシート
とのことなので、後日私も実践してみたいと思います。
追記:
更に追記:
ひでのブログ https://hidekyan.cocolog-nifty.com/blog/
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